「上がる下がる」で相場を見てる人は負ける

いつもありがとうございます、はるのです!

今回は、通貨相関や通貨強弱を見るうえで、そもそもなんで他の通貨を見る必要があるんだっけ、っていう点について書いていこうと思います。

お金を稼ぐなら、少なくとも「自分の知っていることだけ」で頭を使わずに立ち回れるんなんて思わないほうがいい。負けているなら、希望ではなく、しかるべき洗礼ではないでしょうか。

「合成通貨」を忘れていませんか?

「USDJPYが上がる」という発言。これってめちゃくちゃ抽象的ですよね。


USDJPYとは、つまり「ドル(USD)」と「日本円(JPY)」の合成通貨です。なので、上がるという現象は無く、基本的には「ドルを買われた」のか「円が売られた」のか「その両方」であるわけです。

つまり「ドル円の分析」をするということは、ドルが買われたのか、日本円が売られたのかを分析することを指します。無論例外もあって、他通貨の相関であったり、リスクオンリスクオフムードだったり、どこにも要因がない調整状態であることもあったり

何が言いたいかと言えば、為替を取引するのであれば、まず動く要因が「どの通貨」にあるのかから調べる必要があります。勘違いされがちですが、MA200に反発、ラインに反発、エリオット波動でどうのこうのっていうのはこの段階の分析においては、極めて関係ない分析ではなく感想か願望のようなものなので、無駄だとは言いませんが、まずは動く要因である「主導通貨」探しをお勧めします。

「主導通貨」を考える。

まず為替が動く要因を復習しておいてください。


金利や実体経済を中心に為替は変動します。また災害やテロ、最近ではコロナウイルスやワクチンなどの突発要素もありますので、完璧に事前の察知は難しい構造です。ほぼ毎日のように指標がありますが、実体経済に絡むもの、雇用統計やその前指標になるもの、金利に絡むもので大きく動く、という基礎ももう説明する必要はありませんね。

例題

では、「USDJPY」が大きく上昇したとします。

この時に、「米国の重要指標」があったとします。

この場合、主導通貨は「ドル」でしょうか。お考え下さい。

答え(開く)

答えは「ドル」かは、まだわかりません。まず、検証や分析の大原則は「逆説を探す」ことがスタートラインです。ひとつのヒントでわかったつもりになるのは確証バイアスですのでお気を付けを。

では、なぜこの段階ではまだわからないのか。


答えは「他の通貨/相関」を見ていないからです。日本円には「比較的安全資産」という付加価値もあります。この特性は、市場が不安定になると好まれやすくなるというものでもあります。(もちろんケースバイケースですが)

ここで「VIX」を相関としてみて、特に変動が無ければ、ドルの指標によって動いた可能性が高いので、それであれば、どんな指標かを確認して今後の対策を考えることが出来ます。

「VIX」が大きく下がっていたら、相場がリスクオンムードになり、日本円が売られたからドル円が上がっているだけに見えるでしょう。この場合は先導は「VIX
」となります。「」

常に「考える」。

ルーティンや手法も無駄ではないものの、固定をするというのは根本的に「楽をしようとする」ことの現れです。毎回考えるというのはそれくらいストレスのかかる行為であり、不安にもなります。

しかし、結局負けているのであれば、安心感=無駄な感情を稼いでいるにすぎません(無論絶対勝てるわけでも主導通貨を確実に知ることも出来ませんが)。なので、必ずルーティンの中には、「ケースバイケースを考え抜く」というファクターが必要になります。

何によって相場が動いているのか。これを知ろうともせずに、手法やインジでトレードして負けても当たり前じゃないでしょうか。少なくとも触っちゃヤバそうな要因を把握しておけばトレードしないという選択も出来るし、ロットを減らすという選択も出来るので柔軟に対応できます。もちろん、攻めるという意味でも。

主導通貨を探す「手段」

ここで、通貨相関/通貨強弱の出番です。まぁ、ニュースでもいいんですけど、素人が探してもその情報が新鮮かはわかりません。ただ記事として出たのが最新なだけ、かもしれないですしね。ニュースの最新情報でドヤっている人もいますが、その人も国家レベルのお知り合いがいるならともかく、そうじゃないなら「どこかで仕入れている」わけで、新鮮かはわかりませんのでご注意を。

あとはよくある「良いニュース=上がる」ではないし、「上がるってアナリストが言ってる=上がる」でもないので、ここは絶対抑えておきましょうね。結局相場というのは、テクニカルであり、ファンダなので、精度の高さで言えば、チャートの違和感をしっかり判断する方がまだ確実です。

これが全てではありませんが、おすすめの手段を書いておきます。もっと深堀するなら、VIXだけではなく原油や穀物などもしっかりウォッチする必要もあるのですが、ある程度、情報はシンプルにしておくべきだと思います。わからなくなっちゃうしね。

相関強弱

いつものやつ。まぁ僕はあんまりこれは使ってないけど、異常に強い/弱いものがあるなら、その通貨が「何かあった」可能性を読み取ることは出来ると思う。手っ取り早い。

相関相関

これもいつものやつ。結構注意したほうがいいのが「相関関係」は常に変わるので、この前まで強相関だったものが関係なくなってたり逆になったりするので、多用するなら毎週ごとに確認したほうが良き。

ちなみに、これも確証バイアスで「相関するものが同じような動き=根拠」とかそういう薄っぺらい使い方ではなく、むしろ相関するはずなのにぜんぜんしてない、みたいな逆説を探すのが本質。基本的に否定があって肯定があるわけで、この世のものに光の速さ以外に絶対的なものはないらしいので、常に都合の悪いものを探す意識で使うといいと思います。

僕は、強相関/逆相関を4つずつ、計8つワイドモニターに出して観測しているので、最新の相関を確認する時だけこのサイトを利用しています。集計期間は直近3カ月で行っています。

VIX

恐怖指数であって、SP500の変動率。これだけではないけど、リスクオンリスクオフムードがざっくりわかる。なぜ「ムード」を付けているかと言えば、リスクオンだからどうなる、みたいな考え無しな状況にはならないので、言葉につられないほうがいいんだけど、まぁ便宜上使うこともあるのでムードをつけている。

恐怖指数と呼ばれるところに本質があって、未曾有の出来事があると上昇する傾向はある。その時に、日本円が好まれたり、新興国通貨が売られやすくなったりするんだけど、これもまた、主導通貨がどこにあるかで動きが変わるので、VIX上昇=どうなるみたいには使っちゃNG。

主導通貨が「無さそうな場合」

もちろん「要因無し」の場合もあります。見え方によっては上位足への調整っぽい動きとなってくるので、この場合に限っては平均も考慮するといいでしょう。MA(移動平均線)をみてもいいですし、一日の平均変動値幅に対して考察するのもいいと思います。ただし、そこで反転とかそういう話ではなく、今後の流れを考えていくうえで、ですけどね。

僕もこのために移動平均線は入れていますし、1日の平均値幅を可視化するインジケーターも入れています。また、いるかホテルチャネルも見ますし、結局この点でも複合性はかかせません。

主導通貨は「めっちゃ触りたくなる」

主導通貨は、要因によりけりだけど、大きく動く。動くという事は「逆張りしたくなる」お誘いモード。

少なくとも、大きく動いたのであれば建玉もハマっているので、強いトレンドになることもある。大きな陰線/陽線で動き出したなら、安易な逆張りはせず、主導通貨をまず確かめること。もしVIXが連動してそうなら、VIXが戻り始めたときに、逆張りを狙う、的な感じで相関も見ながら見ていくと投機計画が立てやすくなるんじゃないでしょうか。

危なそうなら、ロットを減らすとかした方がいいと思うんだけど、そしたらナンピンし出す人もいるかもしれんので、それはそれで注意。ナンピンするなら、一回終えてから次回ロット張ったほうがまずは良き。

以上

主導通貨を探すことが、最も重要な考え方のひとつです。上がるとか下がるとかしか言えない人は、なんも分析できていないんじゃないでしょうか。それなら、いつか負けて当然とも言えますね。

冒頭でも触れましたが、MA200とかエリオットとかN波とかラインとかインジとか、何でもいいけどそれで「ドル円が反発する」ってのは根拠でも何でもない。そこで円が売られる理由かドルが買われる理由か、そっちの方が大事だと思うわけです。

故の、VIXや通貨相関であります。また、その点に気づくきっかけのひとつが「異世界アラート」でもあって。アラートって上下を支持するものではなく、分析する目線なだけで、本質は「きっかけ」なんです。なんのきっかっけかと言えば、鳴った通貨だけではなく、むしろ他の通貨を考えるためにどれで鳴ったかを収集することの方が大事な要素でして。

あんまり耳馴染みではないと思いますが、為替の通貨では、より多く取引されている通貨を1軍のようなイメージで「メジャーカレンシー」って言うんです。現在ではUSD(米ドル)、JPY(日本円)、EUR(ユーロ)、GBP(英ポンド)、CHF(スイスフラン)の5通貨を指しています。しかし、新興国が無いと、リスクオンオフムードの判別も難しいので、ここにAUD(豪ドル)、NZD(NZドル)、CAD(カナダドル)を加えた布陣でアラートを出しています。なので、元々の設計が「きっかけ」をより精度よくするチョイスで鳴っています。

ぜひユーザーの方は意識して使ってみてくださいね。受信していない方も、メジャーカレンシー+新興国でバランスをとってみてください。また、アラートは数年以内に完全フリーソフトで誰でも使えるようにするので、興味があればその時に使ってみてくださいね。(悪用防止の為に身分証の登録や、法的拘束力のあるフォームをその時に用意する予定です)

「上がる/下がる」でしか相場に言及できない人は、視界に入れないほうがいいと思います。それで当たっても、先出でもなんでもないんです。要は、なんで「上がっているように見える動きをするか」が重要です。どの通貨が、買われたのか。売られたのか。

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